積分和分変換

 積分や和分〈総和〉を使って関数を変換することがある。フーリエ級数フーリエ変換ラプラス変換Z変換など。

Kを積分核とすると:

\(
g(y) = \int_{x\in X} f(x)K(x, y) dx
\)

場合により積分ではなくて和分を使うこともある:

\(
g(y) = \sum_{k\in X} f(k)K(k, y) \delta k
\)

δkはkごとの重み〈荷重〉。積分を使うか和分を使うかに関わりなく、Kをと呼ぶ。K, L, Mなどは核を表すとする。和分は特殊な積分と考えられるので、積分記号を使う。

核は、K:X×Y→F の形のものを考える。FRCで、それぞれ実数値核〈実核〉、複素数値核〈複素核〉と呼ぶ。XとYは位相空間で、X上で積分(和分含む)が必要だから、測度空間の構造も必要。

核 K:X×Y→F を固定すると、S(X)→T(Y) という関数空間のあいだの変換が決まる。ここで、S(-), T(-) は位相空間・測度空間から位相ベクトル空間(ノルム空間やヒルベルト空間)への関手で、適切な関数空間を与える。

核Kに対して、Kが定める積分変換をKと書く。

\(
K^{\rightarrow} := \lambda f\in S(X).(\lambda y\in Y .(
\int_{x\in X}f(x)K(x, y)dx :\in {\bf F}) :\in T(Y))
\)

K に逆変換があって、それが再び核による積分変換にあることがある。このとき、逆変換を与える核LをKの逆核と呼ぶ。

\(
(K^{\rightarrow})^{-1} = L^{\rightarrow} =
\lambda g\in T(Y).(\lambda x\in X .(
\int_{y\in Y}g(y)L(y, x)dy :\in {\bf F}) :\in S(X))
\)

核が入るべき関数空間も U(X×Y) と定義されるべきで、結局、X, Y などが入る圏Cと、関手 S, T, U:CTVSF がセットアップに必要だ。TVSF は、体F上の位相ベクトル空間の圏。