型の縦階層と横階層

型階層を考える上で、型を分類する必要がある。

  • 型と種
  • 無構造型(集合)と構造付き型
  • 単純型〈基本型 | 組み込み型〉と複合型〈構成型 | 複雑型〉
  • 全域型と部分型〈制約型〉

型と種は縦階層。縦階層は、オブジェクトレベル、メタレベル、メタメタレベルのような階層で、タワー、ラダーなどと呼ぶ。異なるレベルをプレーンやレイヤーで識別する。階層グラフの辺はレイヤー間を必ずまたぐ。

横階層は、同一のプレーン/レイヤー内でのツリー構造やグラフ構造のこと。階層グラフは同一レイヤーにあるので、レイヤーをまたぐ辺はない。

グラフ形状が同じでも:

縦階層のグラフ(Nは自然数、Rは実数)

 モノイド圏の2圏
 |
 モノイドの圏
/\
N R

縦階層のグラフ

 モノイドの圏
 |
 N
/\
1 3

横階層のグラフ(Cは複素数、2Zは偶数)

 C
 |
 R
/\
N 2Z


横階層の場合でも、階層グラフの辺が何で与えられるか?が違う。

  1. 台集合の埋め込み写像で与えられる。部分型と全域型。
  2. 台集合の射影写像で与えられる。構造付き型の構造を忘れる。

これ以外の階層はうまくいかないことがあるし、この二種を混合するのはマズい。

階層の例:

  1. 図形クラスのクラス階層:点クラス、色付き点クラス、折れ線クラス、多辺形クラス
  2. 数系の包含階層:N⊆Z⊆Q⊆R
  3. 代数系の構造的階層:群、モノイド、半群、マグマ

階層グラフの辺の実体:

  1. 状態空間の射影写像
  2. 台集合の埋め込み写像〈包含写像
  3. 圏の忘却関手 ≒ 指標の埋め込み写像

階層構造を理解するとは、その階層グラフが世界のなかで、どのような形で配置されているかを正確に知ること。また、階層グラフの頂点と辺の実体が何であるかも正確に知ること。