等式的延長〈equational prolongation〉について述べる。
Xを集合として、Δ(X) をXの対角集合とする。Δ(X) X 。Δk(X) を次のように帰納的に定義する。
- Δ0 := X
- Δk+1 := {(x, y)∈Δk(X)×Δk(X) | x = y}
特に、
- Δ1 := {(x, y)∈Δ0(X)×Δ0(X) | x = y} = Δ(X)
ik:Δk+1(X)→Δk(X) を次のように定義する。
- ik(x) := (x, x)
sk, tk:Δk(X)→Δk-1(X) を次のように定義する。
- sk((x, x)) := x
- tk((x, x)) := x
sk, tk, ik (k ≧ 1)は、反射的球体的集合〈reflexiv globular set〉となる。s, t が面写像、iが退化写像となる。s, t, i は自明な写像となる。
Y = (Yk, sk, tk, ik | k = 0, 1, ...,n) が反射的球体的集合とする。このとき、X = Yn とおくと、
- Y0, ..., Yn = X
- X = X0, ...
という系列ができる。Yn + k := Xk とおいて、長い系列 Y・ を作ると、これは無限な反射的球体的集合となる。できた反射的球体的集合を、Yの等式的延長と呼ぶ。
以上により、nで終わる有限な反射的球体的集合は、無限な反射的球体的集合に延長できることがわかった。逆に、あるnから先で sk, tk, ik がすべて同型になってしまう無限系列は、有限系列からの等式的延長とみなせる。
次は同値:
- Yは有限な反射的球体的集合
- Yは有限なnから先で、構造写像がすべて同型射になる。
マグマ演算も延長できるはずだから、次も同値。
- Yは有限な反射的球体的集合上のマグマである。
- Yは有限なnから先で、構造写像がすべて同型射になるマグマである。