エルブラン・マグマとタルスキー/リンデンバウム代数

指標 $`\Sigma`$ の文法 $`G`$ によるセオリー $`\mathrm{Th}^G(\Sigma)`$ は $`G`$-代数構造を持つ。もし、ドクトリンが無法則指標ならば、文法に含まれるコネクティブはドクトリン指標のラベルで、コネクティブ記号自体が$`G`$-代数構造の演算記号に使える。項=コンビネーションの構文的な組み立て自体が代数演算。

このような状況での$`G`$-代数構造をエルブラン・マグマと呼ぶ。マグマは無法則だから。エルブランは、項の集合をモデルとして使うから。

ドミニオンは $`(\Sigma, G, \mathcal{C}, \mathrm{Sem})`$ と書ける。ターゲット環境圏 $`\mathcal{C}`$ が集合圏のときは、$`(\Sigma, G, \mathrm{Sem})`$ 。エルブラン・マグマは、自然なセマンティクス=エルブラン・セマンティクス $`\mathrm{HerbSem}`$ を与える。エルブラン・セマンティクスでは、文法 $`G`$ のコネクティブの意味は、エルブラン演算=エルブラン・マグマの演算=構文的構成演算=代数データ型のコンストラクタ となる。

ドクトリンに等式的な法則があるとき、エルブラン・マグマの台集合に同値関係を入れて出来る代数がタルスキー/リンデンバウム代数

指標と文法だけから、標準的なドミニオン $`(\Sigma, G, {\bf Set}, \mathrm{TLSem})`$ が構成できる。このとき、セオリー $`\mathrm{Th}^G(\Sigma)`$ は$`G`$のタルスキー/リンデンバウム代数の構造を持つ。