焼畑農業式コミュニケーション

焼畑農業が必ずしも悪いわけではない。むしろ合理的で持続可能な農耕方式/農業形態ともいえる。火を入れる(畑を焼く)意味は:

  • 灰を肥料にする。
  • 雑草を抑制する。除草の手間が省ける。
  • 火の熱が有機物の分解を促進することで作物の生育を促進させる。

https://agri-biz.jp/item/detail/8230?page=1によると:

[...ラオスの伝統的焼畑農業では...] 農地として3年程度使用すると、続く6年間はそのまま放置して森林をある程度再生させる。そこで、またそこを農地にする。

火を入れることが必須ではなくて、土地を使い続けない、ローテーションで利用する、移動するほうが本質的らしい。

焼畑農業 - Wikipedia によると:

英語では移動農耕 (shifting cultivation) という語が使われ、火入れをすることは必ずしも強調されない

移動する=長期定住はしない だから、非定住型農業とも言える。焼畑農業の対語は、焼かない農業ではなくて移動しない農耕=定住農業。

焼畑農業」は悪い意味で使われるが、これは「山地に不法に侵入して行う焼畑農業」などの収奪的焼畑農業からの連想だろう。収奪的焼畑農業は、森林破壊と生物種の絶滅を招いて持続的でない手法。

悪い意味ではなくて、持続可能な非定住型・焼畑農業と似た方式のコミュニケーションを非定住型・焼畑コミュニケーションと呼ぶことにしよう。森林の整地・開墾に相当するセットアップをして、一定のコミュニケーションを行ったら、そのセットアップを捨てる。セットアップしたからといって長期間の定住をするわけではない。

非定住型・焼畑コミュニケーションの特徴は:

  1. 必ずセットアップを行う。
  2. そのセットアップはローカルなもので、長期間使用しない。
  3. 目的が達成したらセットアップを捨てる。
  4. 次の機会には、また新しくセットアップから始める。

定住できない=安定しないことから、不安やストレスに繋がる。毎回のセットアップが負担になる。などのネガティブな特徴はある。が、破壊的ではなく持続可能だし、この方式しか方法がない。定住は無理なのだ。

非定住による不安・ストレス・負担とは、頻繁に新しい/不慣れな環境に放り込まれる/晒されることによる不安・ストレス・負担だが、それは我慢する/対処するしかない。