導出とシーケントを混同する理由

既存導出を組み合わせて新しい導出作ることにより証明を行う。このとき、実際の導出が何であるかは問題にならない。なので、シーケント〈導出のプロファイル〉を書くだけで導出を書いたことになる。これより、導出とシーケントが混同、あるいは同一視される。

A∧B → A はプロファイルだが、次の命題を考える。

  • [射影命題] ∀A, B.∃f.( f:A∧B → A ) in (a category C)

これが真だとして、スコーレム関数 ψ を考える。

  • (A, B) |→ ( (ψ[A, B] : A∧B → A) in (a category C) )

これは ψ:Obj(C)×Obj(C) → Mor(C) という関数を定義する。射のインデックス付き族になる。

今は 射=導出 だから、導出のインデックス付き族になり、それを推論規則と呼ぶ。時系列で書くと:

  1. 射影命題のような、インデックス付き存在命題が与えられる。セマンティックな命題、メタ命題。
  2. インデックス付き存在命題のスコーレム関数を考える。
  3. そのスコーレム関数は、インデックス付き導出である。
  4. インデックス付き導出を“規則”と呼ぶ。

ここで注意すべきは、スコーレム関数さえあればよいこと。ψがほんとの射影である必要はない。ψを具体的に与えるとき典型的・簡単なのは射影だが、“規則”の実体が射影である必要性がない。

ここにギャップがある。仕組み上は射影である必要がないが、たいていはスコーレム関数の具体的な実現として射影を想定している。

次の概念のあいだの相互関係をよく理解すべきだ。

  1. インデックス付き存在命題〈indexed existential proposition〉
  2. スコーレム関数〈選択関数 | セクション〉
  3. スコーレム関数と同義のインデックス付き族
  4. 構成的・具体的に与えられたスコーレム関数
  5. スコーレム関数のプロファイル〈シーケント〉
  6. 規則とかパターンとか呼ばれるモノ