テレスコープと利用法

相対指標と利用法 - (新) 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 の続き。$`\newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} }
\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} }
\newcommand{\Within}{ \sqsubseteq }
`$

指標の圏は $`\cat{Sign}`$ と書く。指標はローマン体大文字。指標射はギリシャ文字小文字。$`\Within`$ は指標の包含関係(ナロー・ワイド関係)。

包含関係にある指標の列 $`(S_1 \Within S_2\Within \cdots \Within S_n)`$ を指標テレスコープと呼ぶ。

指標 $`S`$ のモデル $`X`$ を $`(S, X)`$ というペアの形に書く。指標テレスコープの各指標にモデルを添えた形 $`( (S_1, X_1) \Within (S_2, X_2) \Within \cdots \Within (S_n, X_n) )`$ をモデル・テレスコープと呼ぶ。ただし、モデル達 $`X_1, \cdots, X_n`$ は忘却条件〈forgetful condition〉(リスコフ条件)を満たす必要がある。

指標テレスコープの長さを $`n`$ として、$`1 \le k \le n - 1`$ に対するモデル達 $`X_1, \cdots, X_k`$ を添えた形 $`( (S_1, X_1) \Within \cdots\Within (S_k, X_k) \Within S_(k + 1)\Within \cdots \Within S_n )`$ を混合テレスコープと呼ぶ。

指標テレスコープ、モデル・テレスコープ、混合テレスコープを総称してテレスコープと呼ぶ。

特に長さ1のとき:

  • $`(S_1)`$ 指標
  • $`( (S_1,X_1) )`$ 指標のモデル

特に長さ2のとき:

  • $`(S_1 \Within S_2)`$ 相対指標
  • $`( (S_1,X_1) \Within (S_2, X_2) )`$ 相対指標のモデル、継承実装
  • $`( (S_1,X_1) \Within S_2 )`$ 相対指標のモデル、抽象クラス、デレゲーション、パラメータ具体化

テレスコープを一般に $`\vec{T}`$ と書く。テレスコープから作られる指標テレスコープを $`\mrm{sign}(\vec{T})`$ 、モデル・テレスコープを $`\mrm{model}(\vec{X})`$ と書く。

指標テレスコープ $`\vec{S}`$ に対して、$`\cat{Sign}[\vec{S}]`$ を、拡張指標の全体として定義できる。このテレスコープ相対指標の圏に対してもモデル関手 $`\mrm{Model}_\vec{S}`$ が定義できる。モデル関手の値は、モデル・テレスコープになる。

テレスコープの意味論は繰り返しグロタンディーク構成を使って構成する。

以下もの参照のこと。