計算の利便性を追求した結果、凄まじいオーバーロード(多義的使用)を使う習慣が定着してしまった。今更どうにもならないので、必要に応じて区別して解釈する。
- Mは多様体
- UはMの開集合
- x:U→Rn は局所座標
- は、関数または関数タプルを右から掛ける掛け算記号
だとする。 のオーバーロードの典型的使用例(網羅はしてない):
説明:
- 関数への作用素としての は、R-線形なライプニッツ射〈導分〉。なお、 。
- 偏微分係数を取るのも、R-線形なライプニッツ射だが、値はR。なお、
- 点pでの接ベクトルは、 。これは、Rファイバーの自明ベクトルバンドルからのベクトルバンドル射とみなせる。
- 接ベクトル場も同じ記号 。接ベクトル場は、セクション空間の要素〈セクション〉であり、関数環上の加群の要素でもある。加群要素は、関数環からの線形写像と同一視できる。 (イコールと思ってもよい)。
- 伝統的ベクトル解析における、作用素としての∇、つまり grad に相当するのかな。
- 接ベクトルバンドルのフレーム場。フレーム場は、ファイバー積によるベキ のセクションともみなせる。
- フレーム場を加群のあいだの線形写像とみなしたもの。