作用素、テンソル作用素、微分作用素

ベクトルバンドル層=ベクトルバンドルから作られる加群層=局所有限階数自由加群層 のあいだの層射を考える。

まず、ベクトルバンドル層 ℓΓ(E) をR-ベクトル空間層と考えて、層射がR-線形写像の層射のとき、単に作用素と呼ぶ。言葉を、文脈により特化して使っている(一般用語を特別な意味で)。作用素は、定義よりR-線形であり、層だから局所性を持つ。つまり、作用素=局所性を持つR-線形写像の族。

作用素 ℓΓ(E)→ℓΓ(F) over M が ΦM に対して線形のとき、作用素テンソル〈tensorial〉だという。テンソル的な作用をテンソル作用素〈tensorial operator〉と呼ぶ。A:ℓΓ(E)→ℓΓ(F) over M がテンソル作用素のとき、A∈ℓΓ(F)\otimes(ℓΓ(E))* とみなせる。'∈' は層理論の意味での所属。

J:ℓΓ(E)→ℓΓ(F) over M がテンソル作用素とする。つまり、ΦM-加群層としての準同型層射。D:ℓΓ(E)→ℓΓ(F)\otimesΩMライプニッツ法則を満たせば、作用素Dは微分〈differential〉と呼ぶ。微分的な作用素微分作用素または導分〈derivation〉と呼ぶ。微分作用素〈導分〉と共変微分同義語。以下は同義語で、雰囲気的に使い分ける:

  1. 微分
  2. 導分
  3. 微分作用素
  4. 微分
  5. ライプニッツ
  6. 共変微分

ベクトルバンドルの同型射〈可逆射〉達があると、その同型射達を使って作用素変換できる。同型射の向きにより、いくつかの方向の変換が定義できる。同型射、変換の方向性はかなり混乱する

局所的ベクトルバンドル(開集合への制限)において、ゲージ(=ユークリッドファイバーのベクトルバンドルへの局所自明化)とフレーム(ゲージの逆)による作用素変換が起きる。座標に伴うホロノーム{ゲージ | フレーム}による作用素変換は、ホロノーム変換〈holonomic transform〉と呼ぶ。ゲージ/フレームがホロノームでないベクトルバンドルも、もちろん扱う。

ベクトルバンドル層が対象、バンドル同型が横射、作用素が縦射、変換を2-射とする二重圏で考えるのが良さそうだ。