続・乱用の分析

記号の乱用の分析 - (新) 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編の続き。

典型的な乱用は次の2種類だと思う。

  • 部分・全体の乱用: 構造の一部をもって全体を代表させる。あるいは、全体を一部としても使う。例: G = (G, *, e)
  • オーバーロードの乱用: 推定可能な隠れたパラメータを持つオーバーロードは「よし」とする。そうでないオーバーロードは乱用とする。オーバーロードされた記号を含む、意味を持つ式があるとき、用法・意味が推定できないなら乱用。

番号iに対して、i番目の変数による偏微分を ∂i 、一方で、ベクトル場Xによる方向微分を ∂X 。このときの記号'∂'のオーバーロードはどうなるか? ネルソン流のダイレクトインデックスだと整合的。だが、変数iと変数Xの型を区別する必要がある。


「略記」という言葉は、「省略+短縮別名」の意味で使うことにする。省略すると、必ず隠れたパラメータを作ることになる。一方、短縮別名は別名に過ぎないので、語彙を増やすだけ。略記だと、隠れたパラメータが増えるから、何が隠れるかを明記する必要がある。

  • 記述における隠れたパラメータは何か?
  • 記述における隠れた前提は何か?

あ、それと、隠れたパラメータで(明示的パラメータでも)、それが自由変数なのか論理的束縛変数なのか、ラムダ束縛変数なのかの区別も非常に重要。∀x, λx が落とされたり、自由変数と混同されたりする。非常に良くない。