STEMコミュニケーション論は「わかりにくさ」の研究だが、わかりにくさの原因が伝達手段/言語的コミュニケーション側にある場合を対象にする。
個別的な現象を列挙すると:
- 形式的意味、心理的意味、辞書的意味の三者の乖離や相互干渉
- 辞書的意味=自然言語のメンタルモデルの形式的意味への過剰介入
- 曖昧用法、多義的用法
- 用語・記号のオーバーロード
- 用語・記号の衝突〈コンフリクト | クラッシュ〉
- 同一の形式的概念に複数のメンタルモデル
- 用途の区別としての別名・同義語
- 想定の区別としての別名・同義語
- 用途の区別を意味づけるための利用状況
- 想定の区別を意味づけるための典型事例/メンタルモデル
- 用途・想定の形式的意味への介入、過剰制約
- 同一用語・記号の制限用法と拡張用法〈拡大解釈〉
- 指示対象物〈デノテーション〉のズレ。例:可測写像としての確率変数→前送り確率測度を確率変数と呼ぶ。「xをR上の確率変数とする=xをR上の確率分布とする」
典型的な「わかりにくさ」は、確率統計分野と微分幾何分野に事例が多くある。
- 確率変数(確定性写像)
- 標本空間(可測空間)
- 母集団(無作為抽出の確率測度が載った標本空間、または統計モデル)
- 変量(確定性写像、確定性観測、確定性チャンネル)
- 統計量(確定性写像)
- 推定量と推定値
- 統計モデル(母集団)
- 分布
- 無作為抽出
- テンソル
- 無限小
- 座標
[追記]
統計の「標本」の使い方で: f:X→Y が確率変数=確定性写像として、X上の暗黙の確率測度〈ランダム要素 | 確率分布〉pが載っているとする。
- Xの要素を標本と呼ぶ。
- Yの要素を標本と呼ぶ。
- x∈X に対する f(x) を標本と呼ぶ。
- fを標本と呼ぶ。
- f*(p) を標本と呼ぶ。
- Ynの要素を標本と呼ぶ。実現値。
- fn:Xn→Yn を標本と呼ぶ。
- (fn)*(p⊗n) を標本と呼ぶ。
用語「標本」は破綻している。
[/追記]