微分の代数的構造 補遺

雑多かつ順不同。

XがA上のM-値導分のとき、X(a) = 0 であるaは、X方向に定常〈stationary〉と呼ぶ。すべての方向に定常なAの要素は定常元〈stationary element〉と呼んでいい。「定数」でもいいが、「定数」は別な意味で使いたいから「定常」にする。

  • 定常である ⇔ 微分するとゼロになる

導分空間の部分空間 S⊆DerlR(A, M) に関して、S-定常な元からなるAの部分集合も定義できる。あるいは、T⊆A に対して、Tを定常にする導分の空間も考えられる。X(a) を Xとaのペアリング(導分ペアリング)と考えて、双対空間的な考え方もできる。

多様体の構造可換環Aに対して、ストーク可換環Apを考えると、ほんとの評価射 ev(p):ApR があるが、評価射の核イデアルは極大イデアルになる。逆に、環の準同型射は、ストーク可換環の極大イデアルから来るものに限られる。

よって、ストーク可換環Apの極大イデアル=点 とみなしてよい。ストークではなくてローカル可換環A(U) はどうか? おそらく Max(A(U)) \stackrel{\sim}{=} U as 点集合 が成立するだろう。点のまわりの“良い近傍”で考えればいいので、ユークリッド空間で示せればよい。

トークまたは局所可換環で、フレシェ/テイラー分解と対応するテイラー展開が可能ならば、接空間/接ベクトル空間/接ベクトル・リー代数の議論を代数的にできるだろう。代数的というよりは、層論的にだろうが。

一点評価写像や、閉部分多様体での評価写像に関する導分の計算もなにかありそうだ。

それと、マリオス微分三つ組との関係も重要。