重心問題と重心代数と最尤法

ジリィ型モナドアイレンベルク/ムーア代数を{重心 | 平均{値}? | 中心 | 代表{値}}代数と呼ぶ。その代数の代数演算、または代数演算の結果を{重心 | 平均{値}? | 中心 | 代表{値}? }と呼ぶ。ここでは、重心代数、重心演算、重心{値} を使う。

あまり知られていない重心に、リーマン多様体上の分布のフレシェ平均〈Frechet mean〉、カーチャ―平均〈Karcher mean〉がある。

重心を求める問題は、極値問題になり、変分問題として微分方程式の問題になる。

重心問題 → 極値問題 → 変分問題 → 微分方程式問題

尤度とは、重心代数〈平均代数〉m:G(X)→X があるとき、L:A→G(X) という写像である。Gはジリィ型モナドだから、Lはクライスリ射(具体的には準マルコフ核)となる。L;m を最尤写像、最尤写像の値を最尤値と呼ぶ。

おそらく、統計モデル M:X→* Y があると、準ベイズ反転 L = M:Y→* X があり、X上に重心代数がある状況で最尤法が使える。モデルMの準ベイズ反転Lを尤度とか{準}?ベイズ推論写像と呼ぶ。

  • 最尤{推定}?法 = 準ベイズ反転 + 重心代数

ベイズ主義では主観確率=事前確率を使ってベイズ反転をして、頻度主義では主観確率なしに準ベイズ反転をしている。主観ベイズ反転では、反転結果もマルコフ核となるが、無主観ベイズ反転=準ベイズ反転では、反転結果はマルコフ核とは限らない(普通はマルコフ核ではない)準マルコフ核。枠組みはほとんど変わらない。

ところで、Wikipediaには:

尤度   \mathbb {P} (x\mid \theta ) は条件付確率の定義から「 \theta を仮定したときに今回サンプリングされた標本が得られる確率」である。

「今回サンプリングされた標本が得られる確率」がダメだろう。連続の場合は、これはゼロになってしまう。だから混乱する。離散の場合のインチキな説明を一般化はできない。最初から一般論でやるべき。