「正則」を多用するのは憚られるが、まーいいとする。
線形写像 f:V→W が正則とは、ランクが最大のこと。
- fが正則〈非特異〉 ⇔ rank(f) = max(dim(V), dim(W))
なめらかな写像 f:M→N in Man(∞) が正則とは、
- fが正則〈非特異〉 ⇔ すべての点 x∈M で、Txf:TxM→Tf(x)N が正則
有限次元ベクトル空間Vに対して、r階のグラスマン空間を定義する。
- Grr(V) := Linreg(Rn, V)/GL(r)
Linreg は正則線形写像の全体。GL(r) は、GL(Rr) で、線形写像の空間 Linreg(Rn, V) に作用するので、それで商空間(軌道空間)を作る。
Grr(V) は、Vのr次元部分空間の空間だが、「すべての部分空間」の空間ではない。例えば:
- Gr(V) := Gr0(V) + Gr1(V) + ...
のような直和構成で「すべての部分空間」の空間を作れるが、この空間はなんか具合が悪い。
V内のr個のベクトル v1, ... vr を連続的に変形するとき、Span(v1, ... vr) が不連続にジャンプする。枠が連続的に動いているに、不自然だ。
Gr(V) はセル分割された層化〈stratified〉構造を持つのだろう。Grr(V)は、セルの内部開集合として埋め込めるのだと思う。グラスマン空間は、セル空間(の多面体)となるのだろう。
V Gr(V) を関手と考えると、有限次元ベクトル空間の圏から、多様体の圏ではなくて、セル空間(層化多様体)の圏への写像となるはず。となると、多様体に接空間のグラスマン空間をくっつけたグラスマン空間バンドル(の全空間)は、セル空間と多様体のハイブリッド構造を持つだろう。
Gr(TM) をMの接グラスマン空間バンドルとして、f:M→N に対する Gr(Tf):Gr(TM)→Gr(TN) も考えての関手は、面白い関手だと思う。