セオリー論の世界と世界構造

セオリー論を行う背景となる構造を世界〈world〉と呼ぶことにする。「宇宙」は集合論のなかで使うことにする。

世界の要件を述べる。

  1. 次元と呼ばれる番号で階層化されている。負の次元があってもよい。
  2. 次元(整数値)の集合は、{n∈Z | n ≧ B} の形に限る。Bをボトム次元と呼ぶ。
  3. 世界Wは、次元nごとの構造を持つ。次元nの部分をレイヤーnと呼び、Ln(W) と書く。
  4. Ln(W)はn-圏の構造を持つ。退化したn-圏や条件を付けたn-圏でもよい。ここでは、厳密n-圏とする。
  5. L0(W)は、なんらかの意味で「集合の圏」であるとする。
  6. L(-0)(W)は、なんらかの意味で「真偽値の圏」であるとする。
  7. L1(W)は、なんらかの意味で「圏の圏」であるとする。
  8. 各レイヤーに中心対象〈{center|central} object | center〉と呼ばれる対象がひとつだけ在る。
  9. 中心対象は、ひとつ下のレイヤー(があればそれ)を完全に表現している。
  10. 各レイヤー内には、k-射が存在する。0≦ k ≦ n - B とする。
  11. ホムシングの次元原理が成立する。X∈Ln(W), a, b∈|X| ⇒ X(a, b)∈L(n-1)(W)
  12. 隣り合うレイヤーのあいだに、プロモーション対応が存在する。nレイヤーのk射は、(n+1)レイヤーのk射に対応する。
  13. 隣り合うレイヤーのあいだに、トランケーション対応が存在する。恒等射以外のn射は削除される。

当面、厳密圏で、B = -1 で、n-圏の(n + 1)-射が等式である状況で考える。レイヤー2か3くらいの所で、レイヤーの構造を潰して簡略化する。上のほうのレイヤーは変化しない(安定する)ような世界を作る。

レイヤーの重なりがワールド。レイヤーごとにひとつずつ選んだ対象の列をタワーと呼ぶ。中心対象の列は中心タワーユグドラシル〉と呼ぶ。

ワールドが意味論〈セマンティクス〉のベースを提供する。一方で、指標=コンピュータッドが構文論の素材となる。