準マルコフ圏

関係の圏がマルコフ圏にならない。マルコフ圏の条件から、半デカルト性を削除する。これを準マルコフ圏〈quasi-Markov category〉と呼ぶ。

余可換コモノイド・モダリティを (A, ΔA, ◇A) として、◇AAの準終射〈quasi terminal morphism〉と呼ぶ。セリンガーは弱終射と呼んでいた。

  • A:A→1, ◇A∈[A→1]

したがって、[A→1] は付点集合の構造を持つ。

準終射の概念があれば、1が終対象である必要はないだろう。要は、すべての自然数nに対して、n-対角が定義できること!

  • Δ0A = ◇A : A→A0
  • Δ1A = idA : A→A1
  • Δ2A = ΔA : A→A2
  • Δ3A = Δ;(ΔA\otimesidA) : A→A3

任意の射 f:X→Y に対して、f<n>:X→Yn により、IIDを模倣できる。

準マルコフ圏で:

  • n-同時射の周辺化=射の射影前送り
  • 射のマルコフ要素による同時化
  • 2-同時マルコフ要素の条件化
  • 射の反転
  • 2-同時マルコフ要素の転置

対応:

一般 マルコフ核の圏 関係圏
{マルコフ}?射 マルコフ核 非決定性関数
要素 ディラック 要素
マルコフ要素 ランダム要素〈分布〉 部分集合
2-同時マルコフ要素 2-同時分布 2項関係
n-同時マルコフ要素 n-同時分布 n項関係
射の反転 マルコフ核のベイズ反転 非決定性写像の反転
2-マルコフ要素の転置 2-同時分布の転置 2項関係の転置
2-同時マルコフ要素の条件化 2-同時分布の条件化 2項関係の非決定性関数化
影響{射}? 影響 {依存 or 従属}{性}?
シャープな影響 確率変数 関数依存性
カップリング 確率カップリング テーブル
カップリングの結合 確率カップリングの結合 テーブルのジョイン