多圏類似構造

"Shapely monads and analytic functors" by Richard Garner, Tom Hirschowitz

これが多圏類似構造のテキストとして非常によい。

多圏類似構造の分類を絵算〈グラフィカル計算〉との関係で論じている。多射の図がどうなるかと、どう繋げるかで分類できる。分類基準は:

  1. 多射の図に不連結を許すか?、これは「モノイド積構造を許すか?」
  2. 繋げるワイヤーは1本か、任意のn本か?
  3. 対称群が作用するのか、しないのか?
  4. 対称群の作用を、対称射〈置換射〉として記述するか、作用のままなのか?
  5. 基本スパイダー=基本ジャンクション〈{primitive | elementary} wiring junction〉を持つか、どの程度持つか?

図の連結性・不連結性は目から鱗。もし、不連結な図を許さないとすると、ワイヤーのリストや多射のリストは多射ではなくて、別な概念レベルに置かなくてはならない。これは複射の場合も同じ、つうかより鮮明。ツリーとヘッジを別な概念レベルで考える必要がある。

ガーナー/フーショウィッツは対称群が作用する多圏類似構造を次のように分類している。

モノイド積なし モノイド積あり Δ! あり
1:1 結合 i
n:n 結合 ii' ii iii
  • i は多圏〈色付き対称多圏〉サボ多圏〈Szabo polycategory〉
  • ii' はプロペラッド〈色付きプロペラッド〉 モノイド積なし
  • ii はPROP〈色付きPROP | 対称モノイド・色付きプロペラッド〉
  • iii はローヴェア・セオリー〈色付きデカルトPROP | ローヴェア多圏〉

色付きはいちいち言わないことにして、我々はモノイド構造を前提にしたいので:

  • サボ多圏 (使わない)
  • 対称モノイド多圏
  • デカルト・モノイド多圏 = ローヴェア多圏