フレームとコフレームと解釈

まず、Xを集合として、

  • X[n] : Xのn-縦タプルの集合
  • X[n] : Xのn-横タプルの集合

Xn, X[n], X[n] は同型だが同一視はしない。

Vがベクトル空間のとき、V[n]は、ベクトルのn-横タプルの集合、Vのベクトルのn-横タプルを、Vのベクトルn-横タプル、nが不要なら、Vのベクトル横タプルと呼ぶ。同様に、Vのコベクトル縦タプルも定義する。

Vのベクトル横タプルの成分の集合が、Vの基底をなすとき、フレームと呼ぶ。

Vのコベクトル縦タプルの成分の集合が、V*の基底をなすとき、コフレームと呼ぶ。

行列に代えて、ベクトル横タプル、コベクトル縦タプル、フレーム、コフレームを扱う。

次のような積(双線形写像)を考える。

  1. V[k]×R[k]→V 線形結合
  2. V*×V[k]R[k] コベクトルによるベクトルタプルの計測(評価)= コベクトルのゲルファント評価タプルによる座標
  3. (V*)[k]×V→R[k] ベクトルによるコベクトルタプルのゲルファント計測、ベクトルのコベクトル評価タプルによる座標
  4. R[n]×(V*)[k]→V* 双対空化における線形結合

上記の積は二項演算なので、片方を固定することによる作用(左からの作用と右からの作用)を考える。

順(左作用)解釈 双対(右作用)解釈
ベクトル横タプル R[k]→V V*R[n]
コベクトル縦タプル V→R[n] R[n]→V*

特に、写像が同型になるときは:

順(左作用)解釈 双対(右作用)解釈
フレーム 縦逆座標 双対空間の横座標
コフレーム 縦座標 双対空間の横逆座標

この表で、左右が互いに双対で、上下が互いに逆になっている。左右の双対は解釈を代えているだけなので、データとしてのフレームは同じもの(変化しない)、作用の方向(右側、左側)を代えているだけ。

集合としての基底をフレームとして解釈して、それを順解釈すると、縦逆座標になる。その双対の逆=逆の双対を取ると、双対基底の解釈になる。

  • 基底の標準的な写像解釈=縦逆座標解釈
  • 双対基底の標準的な写像解釈=横逆座標解釈
  • 2つの標準的な解釈のあいだの関係は、双対の逆=逆の双対

基底から写像までの解釈

  1. 順番を付ける
  2. パラメータ・デカルト空間を縦か横かを選ぶ。