- Fが共変関手、Gが反変関手のとき、F(f) = f*, G(f) = f* という略記を、F, Gが何でもお構いなしに使う。
- 例:接関手をTとすると、T(f) = f*、前送りもf*、引き戻しは f*
- F(f)は単にfと書くこともある。f:X→Y, g:Y→Y として、gによる前送りg*を単に g とかいて g*(f) = gf 、ほんとスゲーな、この雑さ。
- ベクトルバンドルの典型ファイバーの要素と、実際のファイバーの要素と、平行移動で分布させた定数ベクトル場を区別せずに書く。
次の論文から例を挙げる。
- SUPERCONNECTIONS AND PARALLEL TRANSPORT
- Florin Dumitrescu, B.S., M.S.
- http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.365.9173&rep=rep1&type=pdf
Chapter 2 "THE STORY OF CONNECTIONS" で、次の書き方がされている。
ω∈Ω1(P;g)G である条件のひとつ:
- g*ω = Adg-1ω, for all g∈G
Gは主バンドルの構造群で、gはそのリー環。
ωはg係数のP上の微分形式、最近の僕の記法だと:
- ω∈Ω1P(P, P[×g])
P[×g]は自明バンドルなので、大域セクションは関数で記述可能で、
- Ω1P(P, P[×g]) C∞fib-lin(TP, g)
fib-linはファイバー方向に線形写像。以下、ω∈C∞fib-lin(TP, g) と考える。すると、
- TPのバンドル自己同型射 φ:TP→TP があると、φの前結合φ* は、C∞fib-lin(TP, g) に作用する。
- gの線形自己同型射 ψ:g→g があると、ψの後結合ψ*は、C∞fib-lin(TP, g) に作用する。
構造群Gの群元gに対して次の変換を定義する。ここで、μは群乗法、ρは右作用、λは左作用とする。
- RMulg := μ(-, g)
- LMulg := μ(g, -)
- RActg := ρ(-, g)
- LActg := λ(g, -)
また、軌道注入を次のように定義する。
- RInjp := ρ(p, -)
- LInjp := λ(-, p)
RMulg, RActg, RInjp 、LMulg, LActg, LInjp を区別しないこともある。
さて、構造群の群元gに対して、
- RActg:P→P
- T(RActg):TP→TP
これは、TPのバンドル自己同型射となるので、前結合により、g値微分形式の空間に作用する。
- T(RActg)*:C∞fib-lin(TP, g)→C∞fib-lin(TP, g)
この作用を単に g* と書いて、g*(ω) = g*ω と略記すると、等式の左辺になる。
Adはリー群の随伴表現で、G→Aut(g) という写像。Adg := TeRConjg という接写像の単位元での値(ヤコビ微分係数)で、RConjgは x g-1xg で定義される右内部自己同型射=右共役変換。
Adg-1:g→g なので、後結合=前送りで、C∞fib-lin(TP, g) に作用する。
- (Adg-1)*:C∞fib-lin(TP, g)→C∞fib-lin(TP, g)
(Adg-1)* を Adg-1 と略記すると、等式の右辺になる。
略記しなければ:
- T(RActg)*(ω) = (Adg-1)*(ω)
このレベルの、超絶雑い記法を平気で使われてしまうことを覚悟しなくてはならない。しんどいけど。