主バンドルの接続と分裂完全列

分裂完全列については:


(P, B, G, π, ρ) を主バンドルとする。

  • Pは全空間
  • Bは底空間
  • Gは構造群であり典型ファイバー〈{typical | standard} fiber〉
  • πは射影
  • ρは、GのPに対する右作用

リー群Gのリー環gとする。自明バンドルは B[×F] のように書く。

  • Ω1(P, g) := Ω1P(P, P[×g]) = ΓP(P, [TP, P[×g]]) = ΓP(P, P[×g]\otimesT*P)

これは、g係数の1次微分形式の空間(の層)。(1次の)微分形式の空間は、ベクトルバンドルの射の空間でもある。

  • Vect-Bdl[P](TP, P[×g]) \stackrel{\sim}{=} ΓP(P, [TP, P[×g]])

余域が自明バンドルのときは、

  • Vect-Bdl[P](TP, P[×g]) \stackrel{\sim}{=} Cfib-lin(TP, g)

ここで、fib-linはファイバー方向では線形写像であること。TPが自明バンドルかどうか分からないので、トランジション関数(ヤコビアン)表現は保証されない。

ρ:P×G→P という作用から、Ip:G→P, Ip(g) := ρ(p, g) により、点pにおける右軌道注入〈right orbit injection〉が定義できる。Ipをgで微分すると:

  • T(Ip):TG→TP

Gの単位元での微分係数は、

  • Te(Ip):g→TP

点pを空間Pに渡って動かすと:

  • J:P[×g]→TP

という写像ができる。これは、TPの垂直部分空間バンドルのファイバー(=垂直ベクトル空間)を各点でgと同一視する写像

K = Tπ:TP→TB とすると、

  • 0→P[×g]-(J)→TP-(K)→TB→0 over P

はP上のベクトルバンドルの完全列になる。この完全列の分裂 A:TP→P[×g] が主バンドルの接続形式になる。

  • A∈Cfib-lin(TP, g)

ところが、

  • Cfib-lin(TP, g) \stackrel{\sim}{=} Vect-Bdl[P](TP, P[×g]) \stackrel{\sim}{=} ΓP(P, [TP, P[×g]]) \stackrel{\sim}{=} Ω1P(P, P[×g])

なので、A∈Ω1P(P, P[×g]) = Ω1(P, g) とみなせる。

ただし、Aは単なるg値の微分形式ではなくて、作用に対する同変性〈equivariance〉を満たさなくてはならない。この同変性がまたゴチャゴチャしている。別記事にする。→
表現と作用と同変性 - (新) 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編