連続体力学

連続体力学の短めのテキスト https://d-nb.info/99486020X/34 の最終章 "4 Application: Continuum Mechanics" だけ読むことにした。

次のような用語の使い方がグチャグチャだ。

  1. configuration
  2. deformation
  3. motion
  4. flow

一般的には(この本に限らず)、次もワケワカラン。

  1. phase
  2. state
  3. status

色々な概念を導入して区別しようとしている努力は分かるのだが、結局はグチャグチャになっている。努力しているように思える箇所は:

  1. 点空間〈point space〉と物質空間〈material space〉の区別。
  2. 空間{的}?点〈spacial point〉と物質点〈material point | particle〉の区別。
  3. 配置〈placement〉という概念の導入

まず、物質多様体〈material manifold〉μのなかに物体空間〈material body {space}?〉βを取る。外側の物質多様体の意義が不明。なくてもいいように思う。おそらく、μは多様体だが、βは多面体とか、多様体とは限らないのだろう。ちなみに、μ、βは原典ではドイツ花文字。

Sは点空間=位置空間=アンビエント多様体アンビエント空間。Sには容器としての空間の役割があるだけで、物質的属性は持たない。物質的属性(例:質量密度)を持たせるならβ上で定義する。(が、密度って体積形式がないと定義できんよな?)

時間パラメータの開区間をIとする(0∈I を仮定)と、κ:I→Emb(β, S) を配置〈placement〉と呼ぶ(Embは埋め込みの空間)。原典でもそう呼んでいる。κt = κ(t) : β→S を時刻tでの配置と呼ぶ。

β⊆μ と κt:β→S は定義しているが、実際にはどうやら κ0(β) = B を使って話が展開する。κ0(β) ならまだしも、κt とは別な κ!:β→S を使って、B = κ!(β) としているのかも知れない。κt(β) = βt とすると:

  1. β と κ!(β) と κ0(β) が全部必要なのか?
  2. B は B0 なのか?
  3. B = B0 でもそうでなくても、Bがあればβは不要では?

もちろん、κtの域はβだが、話の中心はκtではなくて、φt になる。tごとに φt:B→S なので、φt = κ0~1t

ここで、(~1) は局所逆で、局所同型の弱い意味の逆射。逆射と局所逆射の区別もできてない>原典。

オイラー速度場とラグランジュ速度場の定義あたりで、色々あやしくなっていく。オイラー速度場はアンビエント多様体Sの接ベクトル場だが、κやφから、オイラー速度場が定義できる保証がない。well-definedかどうか非常に怪しい。well-definedである/well-definedにする算段が省略されている。

ラグランジュ速度場からオイラー速度場を定義しているが、話が逆で、オイラー速度場からラグランジュ速度場だろう。それらとは別に、物質速度場〈material velocity field〉も定義されているが、これは、物体空間βの配置像であるB上で定義されている。中途半端なんだけど、βで定義しないのは、β(の親であるμ)にリーマン構造がないせいだろうか?

配置 κ:β×I→S の像を κ(β×I)⊆S として、κ(β×I)の開近傍で定義されたベクトル場がオイラー速度場だろうが、κが単射である保証がないので、オイラー速度場が定義できる保証がない。κ:β×I→S×I に拡張して考えるのか?

ラグランジュ速度場は、時間依存なB上のベクトル場になっている。V:B×I→TB あるいは、V:I→Γ(TB) 。与えらてたラグランジュ速度場が、なんらかのオイラー速度場から実現できる保証もない。むしろこれは、微分方程式の解の存在問題だろう。