自明な共変微分の定義

多様体MのRkファイバーの自明バンドルに対して、任意の開集合上で共変微分が定義できる。その共変微分を"D"という記号で表すとして、それの定義を半形式的に、例えば次のように書く。

\newcommand{\Definition}{\mbox{Definition}\:\mbox{of}\:}%
\newcommand{\implicit}{\:\mbox{implicit}\:}%
\newcommand{\Define}{\mbox{Define}\:}%
\newcommand{\For}{\mbox{For}\:}%
\newcommand{\As}{\mbox{As}\:}
\newcommand{\Where}{\mbox{Where}\:}
\newcommand{\End}{\mbox{End}\:}
\newcommand{\b}[1]{{\bf #1}}%
\newcommand{\v}{\_}%
\newcommand{\hyph}{\mbox{-}}%
\newcommand{\thats}{\:\mbox{thats}\:}
%
\Definition D \\
\: \For \implicit M \in |\b{Man}| \\
\: \For \implicit U \in |Open(M)|, \implicit k\in \b{N} \\
\: \Define "{}_{M}^{k}D^U_{\v 2}{\v 1}" : \Gamma_M(U, {\b{R}^k}_M) , \; \Xi_M`U \to \Gamma_M(U, {\b{R}^k}_M) \\
\:\:\: \thats \b{R}\hyph BiLin, C^\infty(U)\hyph Der\\
\: \As \\
\:\: \For s \in \Gamma_M(U, {\b{R}^k}_M),
 X \in \Xi_M`U \\
\:\: {}_{M}^{k}D^U_X s := {}^k X[s] \\
\End

  1. 定義は、Definition of から End まで。
  2. implicit で暗黙の引数〈パラメータ | インデックス〉を宣言する。
  3. Define で、定義すべき射の記法〈notation〉とプロフィールを宣言する。
  4. 射のアビタ〈habitat〉である圏を in で指定するか、射の特性を thats で指定する。
  5. As 以降に実際の定義を書く。最初に明示引数を宣言する。
  6. kX[-] は、関数のk-タプルに作用するようにした微分作用素としてのベクトル場

ちなみに、多様体M上の共変微分は、バンドルチャートを使って、自明な共変微分との差を取る。当該共変微分と自明共変微分との差が接続係数。接続係数は、バンドルチャートの被覆に載ったアフィン空間層の合致族〈matching family | 整合族 | consistent family〉のはず。合致条件〈matching cndition〉はテンソル場と同じだが、遷移関数の作り方がテンソル場とは違うはず。