ベクトルバンドルの手前の概念で、ベクトルファミリーを定義する。
- 位相空間の各点にベクトル空間が付いている。
- 各ベクトル空間は有限次元ですべて同型(標準的同型ではない!)
- 個々のベクトル空間には位相があるが、全体としての位相はない。
ベクトルファミリーのセクションは集合論的に定義できるが、連続性や可微分性はない。そのようなセクションを不連続セクションと呼ぶ。不連続というより、連続性概念がそもそもないのだけど…
同様に、ベクトルファミリーのフレームセクション(フレーム場ともいう)の不連続版も定義できる。
ベクトルファミリーにフレームセクションを選んで固定すると、バンドル位相を入れることができる。他のセクションがこの位相に関して連続/可微分などを議論できるようになる。
点導分のベクトル空間が有限次元で、標準基底を持つことは分かっている。各点ごとに点導分空間と標準基底を割り当てると、ベクトルファミリーとフレーム場ができる。これにより、このベクトルファミリーの不連続セクションの連続性/可微分性を云々できる。
可微分性定理:
- 領域導分Xがあるとき、Xが定義する不連続セクションは∞可微分である。
これを得るには、
- 点導分のベクトルファミリーに対して、
- 不連続セクションαがなめらかである ⇔ 作用 α▷f が、なめらかである。
作用Fがなめらかとは、fがなめらかならF(f)もなめらかなこと。また、
- (α▷f)(a) := (α(a))f
点導分の概念、点導分のベクトルファミリーと、その不連続セクションの概念がないと、証明の意味がわかりにくい。ベクトルファミリーも、フレーム場を任意に選ぶと、ただちにベクトルバンドルになる。