導分ではなくて導分層

本編の 微分はライプニッツ法則に支配されている - 檜山正幸のキマイラ飼育記 (はてなBlog) の拡張として、ベクトル場と関数環の導分の対応がある。

しかし、単なる代数的導分ではどうもうまくいかない。「導分←→ベクトル場」対応ではなくて、「導分層←→ベクトル場」対応だろう。

単に単一の大域的導分があっても、それをジャームに持っていけない。点局所な作用素として、ジャーム相対可換環の導分 CGerm(Rn)→CGerm(Rn) が得られないと、話が進まない。

次の順序で構成が進む。

  1. 導分層
  2. 一点でのストーク(ジャーム空間)の導分
  3. 一点でのストーク(ジャーム空間)からRへの導分
  4. 一点での成分(実数のタプル)

これで、導分層に対して、各点ごとに実数タプルを割り当てることが可能になる。問題はこの割り当てがなめらかか?

記号の使用法を決めておく。

  • X:導分層 X = (VX | V⊆openU)
  • v: ベクトル場、単に U→Rn
  • ベクトル場が決める導分層 Dv
  • 導分が決めるベクトル場 ξX := λa∈U.(ξ(a))

Dとξは:

  • D : CVectField(U) → DER(C(- ⊆U)/R)
  • ξ : DER(C(- ⊆U)/R) → C-1VectField(U)

示すべきは、

  • X = Dv ならば、ξX = v
  • v = ξX ならば、Dv = X