多線形代数の操作(リバイス)

基本射〈組み込み射〉:

  1. 恒等射 id[Γ]
  2. 概恒等射 (A,B)→(A\otimesB) for \otimes導入・除去
  3. 対称射〈2次置換射〉 sym[A, B] for 換
  4. 評価射 ev[A]
  5. 余評価射 coev[A]
  6. ゲルファント変換、反ゲルファント変換 gel[A], opgel[A]
  7. 単位射 lunit[Γ], rnuit[Γ], oplunit[Γ], oprunit[Γ] for 増・減

基本変形〈複線形コンビネータ〉:

  1. 組み込み B 無項コンビネータ
  2. テンソル積 TP 二項項コンビネータ
  3. 結合〈フルカット〉 C 二項コンビネータ
  4. カリー化、反カリー化 Λ 単項コンビネータ

誘導変換:

  1. 部分結合〈カット | 縮約〉 PC 二項コンビネータ
  2. ゲルファント変換 G 単項コンビネータ
  3. 反ゲルファント変換 OG 単項コンビネータ
  4. トレース Tr 単項コンビネータ
  5. 置換 単項コンビネータ
  6. 増減 単項コンビネータ
  7. ψ-積 二項コンビネータ
  8. ψ-部分積 二項コンビネータ

反ゲルファント変換 単項コンビネータ

                ☆
             ---------B
              ¬V→¬V   V,Γ→Δ
             ---------------------TP
              ¬V,V,Γ→¬V,Δ
             ------------------換
      ☆      V,¬V,Γ→¬V,Δ
   --------  ------------------TP
   I→V,¬V   V,¬V,Γ→¬V,Δ
   ----------------------------PC
    I,Γ→¬V,Δ
   --------------Del
      Γ→¬V,Δ

減 単項コンビネータ

    ☆
  -------
  Γ→I,Γ  I,Γ→Δ
  ------------------C
   Γ→Δ

増 単項コンビネータ

    ☆
  -------
  I,Γ→Γ  Γ→Δ
  ------------------C
   I,Γ→Δ

ψ-積 二項コンビネータ

 Γ→U  Δ→V      ☆
 -------------TP -------
  Γ,Δ→U,V     U,V→W
  ---------------------C
   Γ,Δ→W

ψ-部分積 二項コンビネータ

 Γ→Φ,U  Δ→Ψ,V
 -------------------TP
  Γ,Δ→Φ,U,Ψ,V       ☆
 ------------------換  -------
  Γ,Δ→Φ,Ψ,U,V      U,V→W
  -----------------------------PC
   Γ,Δ→Φ,Ψ,W

トレース 単項コンビネータ

 Γ,Φ→Δ,Φ
 -------------ゲルファント
 Γ,¬Φ,Φ→Δ
 ------------------評価
  Γ,I→Δ
 ----------削除
   Γ→Δ
変更点
  1. トレースは誘導する。コンパクト閉圏の標準トレース
  2. カット=部分結合は誘導する。プリミティブはフルカット=結合とする。
  3. 換・増・減は、コンビネータ(リーズニング規則)ではなくて、射(推論規則)とする。それぞれ、対称射、単位律射と逆。
  4. ゲルファント変換・反ゲルファント変換も、誘導されたコンビネータとする。
  5. カリー化・反カリー化はプリミティブなコンビネータとする。
  6. ブロック和は、域側の直和を使うので、別な話題とする。双積を持つコンパクト閉圏の話になる。
二部プロファイルと二部テンソル

「二部〈bipartite〉」という概念を使う。

  1. 二部リスト〈bipartite list〉は、前半部〈former part〉と後半部〈latter part | ラターパート〉に二部分割されたリスト。〈part〉の区切りをスラッシュにする。(a1, ..., an/ b1, ..., bm)
  2. 二部リストは、リストのペア(入れ子のリスト)と同じ。
  3. ベクトル空間の二部リストを左辺とするプロファイルを二部プロファイル〈bipartite profile〉と呼ぶ。
  4. 二部プロファイルを持つテンソル〈多線形写像〉を二部テンソル〈bipartite tensor〉と呼ぶ。
  5. ベクトル空間への基底割り当てがあると、二部テンソル多行列〈polymatrix〉(ベクトル空間値の多写像)が対応する。
  6. ナンバリングフリー方式から、基底をインデックス集合とする多行列がテンソル〈多線形写像〉を表す。
  7. テンソルのプロファイルを、二部プロファイルに正規化することをネルソン化〈Nelsoning〉と呼ぶ。
  8. リストのペア、二部リストの上下表示、スラッシュ表示は、(3, 2) ←→  \frac{2}{3} ←→ 2/3 と同じ対応原理。
  9. 任意のプロファイルをネルソン正規化すると、(¬W1, ..., ¬Wk/ V1, ..., Vn)→() の形になる。この形のプロファイルを持つテンソルネルソン・テンソル〈Nelson tensor〉と呼ぶ。ネルソン・テンソルは、プロファイル右辺が空リストなのでフォーム・テンソル〈form tensor〉である。
  10. ネルソン・テンソルのフォーム・ポインター双対になるポインターテンソル〈pointer tensor〉を余ネルソン・テンソル〈coNelson tensor〉と呼ぶ。

ネタは次の記事にある。