ゲージ対数微分

ゲージ群元、ゲージ、ゲージ変換、ゲージ関数 - (新) 檜山正幸のキマイラ飼育記 メモ編 で導入した用語・記法を使うことにする。

ゲージ場を、同じ構造群を持つ主バンドルとベクトルバンドルのペアに接続が付いたものだとする。

  • ゲージ場 = 接続付き連携G-バンドル〈coupled G-bundle with connection〉

主バンドル上で対数共変微分〈共変対数微分 | モーレー/カルタン微分〉というものを考えるが、対数共変微分ゲージ対数微分とも呼ぶことにする。

ゲージ対数微分は、ゲージ関数群=(G値関数の空間+群構造) に対して作用する微分作用素微分作用素なので局所的だから層論化できる。

  • U:{\mathcal G}(U)→ΩM(U)\otimes{\mathcal L}(U)

ここで、\({\mathcal L}\) はベクトルバンドル層で、ゲージ群Gのリー環gとして、

  • \({\mathcal L}\)(U) := ΓM(U, M(×g))

∂は、G-群層から、AM-加群層への局所作用素。\({\mathcal G}\) が加群層ではないので、線形微分の定義は適用できないが、ベクトルバンドル層 \({\mathcal L}\) に群層 \({\mathcal G}\) が随伴作用Adにより作用しているので、対数ライプニッツ法則を考えることができる。

  • ∂(st) = Ad(t-1)∂s + ∂t

Adが自明な表現のときは、積が和になる。非自明はAdに関してはズレが生じる。

G = SO(3), g = AltMat(3) に対してAdを計算して、対数微分を具体的に構成してみるといいだろう。

たし算とかけ算に関して、微積分は次のようになる。

微分 積分 有限微分 有限積分
線形 d Δ Σ
対数 Π δ Π